中国語ってどのくらいの時間で習得できるんだろう? 勉強を始める前に知っておきたいなぁ〜。
こんな疑問にお答えします。
中国語を勉強するにあたって、習得に必要な時間が気になるという方もいるはず。
結論から言うと、「目指すレベル・個人差によって異なる」ですね。
とは言え、大まかな時間が分かれば、学習計画を立てる際に役立つと思うので、今回は4つの資料を元に「中国語習得にかかる時間」を考察します。
早速見ていきましょう。
中国語の習得に必要な時間
- 英語ネイティブスピーカーが各言語を習得するのに必要な時間
- 中国語検定(中検)のレベル
- HSK筆記試験のレベル
- HSK口頭試験のレベル
以上の4つを元に、中国語の習得に必要な時間を考えていきます。
「英語ネイティブスピーカーが各言語を習得するのに必要な時間」を元に考察
・参考サイト:「Foreign Service Institute (FSI) language difficulty ranking.」
・画像引用:「CLOZEMASTER BLOG」
(カテゴリーⅢ以下は省略)
こちらは、米国務省機関の一つ「外務職員局」 (FSI)が、英語を母語として話す人が各言語を習得するのにかかる時間を表したもの。
「注意点①」
この表には、以下のような「見えざる背景」があるので注意が必要です。
・FSIの生徒は、他の外国語に関する知識も持っている優秀な人々
・1週間に25時間のペースで学習(6人以下の少人数クラス)
・毎日3〜4時間自習
上の表に書かれている学習時間はあくまでも授業時間だけを考慮したもの。
なので、正確な学習時間を計算するには、
・1日3時間の自習時間:「3h×7日×〇〇週」
・1日4時間の自習時間:「4h×7日×〇〇週」
を含める必要があります。
「注意点②」
ここでの「習得」とは、日常・ビジネスシーンでほとんど不自由なくその言語を操れるレベルに達したことを指してます。
アルファベットとはかけ離れた漢字が使用され、さらに発音に癖がある中国語は、英語ネイティブスピーカーにとって最も難しい言語の一つ。
一方で、日本人にとっては、約3割の漢字の意味が同じということもあり、他の外国人に比べると比較的簡単。
なので、日本人の場合、中国語はカテゴリーIVに属する言語と同じくらいの難易度と言えますね。
これらのことから、日本人が中国語を習得するには、
「約2,000時間〜3,500時間」
必要であることが分かります。
中国語検定(中検)を元に考察
中検は、主に日本企業(中国に支社がある)への就職時や、翻訳・通訳業などに有利に働く試験。
中検は4級〜準1級までの6段階のレベルに分かれています。
レベル | 学習時間 | |
準4級 | 中国語学習の準備 | 60〜120時間 |
4級 | 簡単な中国語が聞ける・話せるレベル | 120〜200時間 |
3級 | 簡単な日常会話なら可能 基本的な文書の読み書きができる | 200〜300時間 |
2級 | 日常的な話題なら問題なく会話できるレベル | 300〜600時間 |
準1級 | 会話はもちろん、簡単なスピーチならこなせるレベル 簡単な翻訳・通訳が可能 | 1000時間前後 |
1級 | 日常・専門的な会話でも不自由なく話せるレベル 高度な翻訳・通訳が可能 | 2000時間以上 |
「中検公式サイトを元に作成」
簡単な日常会話ができるレベル(3級)なら、「200〜300時間」程で到達できます。
比較的流暢に日常会話ができるレベルに相当するのが、中検の2級〜準1級。
大体1000時間程度を目安に考えておけばOKですね。
ビジネスで中国語を活かしたい、中国語のプロを目指したい方は、2,000時間以上の学習が必要。
2級以上はあくまでも推定ですが、おそらく感覚としてはこのくらいかと。
HSK筆記試験を元に考察
HSK(汉语水平考试)は、主に中国留学・中国企業への就職時に有利に働く試験。
HSKは1級〜6級までの6段階のレベルに分かれています。
レベル | 学習時間 | |
1〜2級 | 中国語学習の準備 簡単な中国語を話せるレベル | 60〜180時間 |
3級 | 簡単なセンテンスが作れる 中国人と基本的なコミュニケーションがとれる | 300時間 |
4級 | 中国人との日常的な会話なら問題なく可能 | 600〜800時間 |
5級 | 日常会話マスター 中国語で仕事ができる | 1000〜2000時間 |
6級 | 日常・専門的な会話でも不自由なく話せるレベル 高度な翻訳・通訳が可能 | 3000時間前後 |
「HSK公式サイト」& 「capital mandarin school 中国語レベル表」を元に作成
どうにか日常会話ができるレベルに相当するのが、HSKの2〜3級。
ただこの段階では、相手の言っていることをほとんど理解できないので、長く会話を続けるのはほぼ不可能ですね。
4〜5級(単語数で言うと1,200〜2,500語)レベルなら、比較的スムーズに会話できるはず。
必要な時間は600〜1,500時間ほど。
また、中国語で仕事できるくらいの中国語力を身に付けたい方は、最低でも2000時間以上の学習が必要ですね。
中国語のプロ・通訳者・翻訳者を目指す人はHSK6級以上の中国語力(3000時間以上)が必要不可欠です。
HSK口頭試験を元に考察
HSK口頭試験は「話す力」に特化した試験。
画像引用:「HSK公式サイト」
HSK口頭試験【初級】レベル
基本的な日常会話ができる程度のレベル
このレベルに達するまでに必要な時間は、約80〜150時間ですね。
正直このレベルでは、相手が話す中国語をほとんど理解できません。
日本語がある程度分かる中国人とでないと会話は困難です。
HSK口頭試験【中級】レベル
相手と普通にコミュニケーションを取れる程度のレベル
おそらく多くの人が頭の中にイメージしている「日常会話レベル」は、この【中級】程度です。
このレベルに達するまでに必要な時間は、公式サイトによると約300時間。
ただ、正直300時間でこのレベルに達するのは難しいですね。
せめて800時間程度は欲しいところです。
HSK口頭試験【上級】レベル
自分の言いたいことを流暢に言えるレベル
公式サイトによると、このレベルに達するまでに必要な時間は、300時間以上。
ただ、個人的な意見では、少なくとも1000〜2000時間程度は必要かなと。
ネイティブレベルを目指すなら、冗談抜きで5〜10年はかかりますね。
【重要】発音の習得には膨大な時間が必要です
日本人にとって中国語の漢字を理解すること、文法を習得するのは比較的簡単。
ただ、発音に関しては別物で、マジで発狂するほど難しいです。
なので、発音の練習には少なくとも1ヶ月以上の期間が必要。
なぜそんなに中国語の発音が難しいかと言うと、
・中国語には日本語にはない独特な発音が多い
・四声と呼ばれる声調変化が存在する
から。
正直、この発音・四声を正しく習得できるか否かが、その後の中国語力向上に大きく影響します。
ここで強く言っておきたいのが、「発音は絶対に中国人講師または、発音に長けている日本人中国語講師に教わるべき」だと言うこと。
僕は、最初独学で発音を勉強してしまい、長い間変な癖が直りませんでした。
(今も完全には直ってません)
最初に変な癖がつくと、後で矯正するのが困難になるので、ほんと最初のうちから教わった方が無難です。
これから中国語の勉強を始める方は要注意ですよ。
中国人講師から発音を直接学べるオンラインスクールは、以下の記事でまとめてますので、良ければ合わせてどうぞ。
関連記事【徹底比較】オンライン中国語スクール3社の特徴を分かりやすく解説
まとめ
今回は、「中国語の習得に必要な時間」を4つの資料を元に考察しました。
最初にも言った通り、「目指すレベル・個人差」によって習得にかかる時間は変わります。
あまり考えすぎても学習を開始できないだけなので、大まかな時間を把握した後は、早速学習にとりかかりましょう。
以下に、中国語学習に役立つ記事をまとめてますので、興味がある方は合わせてどうぞ。
それでは楽しい中国語LIFEを!
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