中国語検定ってやっぱりHSKが一番有名なのかな?他にも種類あるらしいけど、違いがよく分からないし、一体どれを受ければいいんだろう、、誰か教えて!!
本記事ではこんな疑問に答えていきます。
- 各中国語検定のレベル・出題内容・特徴について
中国語検定は全部で4種類ある!
僕は最初「HSK」(汉语水平考试)という中国語検定しか知らなかったのですが、 実はその他にも3種類あるんですよね。
その4種類の中国語検定とは、以下の通りです。
- HSK
- 中検(中国語検定試験)
- TECC(中国語コミュニケーション能力検定)
- 通訳案内士
日本人にとって聞き馴染みのある試験は、おそらく「HSK」と「中検」だけだと思います。
では、中国語検定を受ける人はそれぞれどんな人なのでしょうか?
- HSK → 中国に留学に行く人、中国企業で働きたい人、中国語勉強のモチベーション維持
- 中検 → 日本企業で中国語を使って活躍したい人、中国語勉強のモチベーション維持
- TECC → 中国語を使用したコミュニケーション力を試したい人
- 通訳案内士 → 日本で中国人向けの観光案内をしたい人
こんな感じですね。
このように目的に応じて中国語検定を受験することをおすすめします。
それでは次の章で、これら4種類の中国語検定の内容と特徴について実際に見ていきましょう。
各中国語検定の内容とレベルについて
HSK
この試験は、日本で一番受けられており、一番有名な試験ですね。
HSK試験の特徴は以下の通り。
- 中国政府が認定している試験
- 世界中で公的証明として活用できる試験
- 世界基準に準拠した試験内容
- 世界で最も受験者数が多い試験(118以上の国と地域で実施)
- 単なる知識よりもコミュニケーション力を試されるような問題が多く出題される
「HSK」は世界中の人が受験している試験なので、圧倒的に認知度が高いです。
なので、留学はもちろん、就職や転職の際にも有利に働くこと間違いなしですね。
後で紹介する「中検」と異なる点は、
- 中検よりも実用性が高い
- 全ての問題文が中国語表記
- リーディング・リスニングの他に、「要約問題」もある
などです。
リスニング・読解・作文で出される問題は、単なる知識問題ではなく、より日常会話で使われる表現に特化しています。
また、オプションで「口頭試験」も受験できるので、4技能のスキルを総合的に測りたい人にはかなりおすすめ。
「HSK」の各レベルと出題形式は以下の通り。
「筆記試験」
レベルの程度 | 単語数 | 出題形式 | |
6級 | 自分の意見を口頭や文面で流暢に表現できる | 5000語 | 聞き取り:約35分間 |
5級 | 中国語の新聞・ニュース・テレビ・映画を観れる。中国語でスピーチができる。 | 2500語 | 聞き取り:約30分間 |
4級 | 中国語を母語とする人と比較的流暢に会話することができる | 1200語 | 聞き取り:約30分間 |
3級 | 基本的なコミュニケーションが取れる (仕事、学校、旅行) | 600語 | 聞き取り:約35分間 |
2級 | 簡単な日常会話ができる | 300語 | 聞き取り:約25分間 |
1級 | 基礎の単語・フレーズを理解できる程度 | 150語 | 聞き取り:約15分間 |
「口頭試験」
レベルの程度 | 単語数 | |
高級 | 自分の意見を流暢に話せる | 日常生活で使われる3000前後の単語 |
中級 | 中国語を母語とする人と比較的流暢に会話ができる | 日常生活で使われる800前後の単語 |
初級 | 基本的な日常会話ができる | 日常生活で使われる200前後の単語 |
個人的な感想としては、4、5級くらいから内容が結構難しくなりますね。
なぜかというと4級から作文問題が出題されるからです。
マークシート形式の問題に加えて、記述問題が加わるので、それだけ難易度が難しくなるんですよ。
中検(中国語検定試験)
「中検」も「HSK」と同じくらい有名な試験です。
中検の特徴は以下の通り。
- 日本語を母語とする中国語学習者が対象
- 読解・聴解力に加えて、翻訳能力も問われる試験
- 準1級・1級には、口頭試験も含まれている
「HSK」と異なる点は、単なる中国語の知識だけでなく、中国語を正しく日本語に直す翻訳能力も問われるという点ですね。
なので、日本の企業で中国語を生かしたい!って方にはかなりおすすめの試験です。
「中検」の各レベルと出題形式は以下の通り。
「一次試験」
レベルの程度 | 出題内容 | |
1級 | 高度な読解力・表現力を持ち備えたレベル | 難度の高い文章の 日本語訳・中国語訳,及び熟語・慣用句などを含む総合問題。 |
準1級 | 実務従事できる・普通の文章の日本語・中国語訳・簡単な通訳ができるレベル | やや難度の高い文章の 日本語訳・中国語訳,及び熟語・慣用句などを含む総合問題。 |
2級 | 実務能力の基礎レベル | ・熟語・慣用句の意味 |
3級 | 基本的な文章が読める、簡単な日常会話を話せるレベル | 常用語1,000~2,000による複文の日本語訳・中国語訳。 |
準4級 | 中国語基礎マスターレベル | 常用語500~1,000による単文の日本語訳・中国語訳。 |
4級 | 基本的な知識レベル | 日常挨拶語約50~80による語句・単文の中国語訳 |
「二次試験」
出題内容 | |
1級 | 難度の高い日本語・中国語の逐次通訳。 |
準1級 | 日常会話,簡単な日本語・中国語の逐次通訳及び中国語スピーチ。 |
一般財団法人 日本中国語検定協会ホームページ「http://www.chuken.gr.jp/tcp/grade.html」より内容抜粋
TECC(中国語コミュニケーション能力検定)
「TECC」の特徴は以下の通り。
- 中国語によるコミュニケーション能力を測る試験
- 1000点満点の「スコア表示形式」
- リスニング・リーディング問題のみ
「TECC」はHSKや中検と違って、スコア形式で自分の中国語のレベルを測れる点が最大の特徴ですね。
「TECC」の問題は、
- 基本数量問題
- 図画写真問題
- 会話形式問題
- 会話散文問題
- 語順問題
- 補充問題
- 類義語問題
- 読解問題
の8つの構成から成っています。
ただ、「TECC」は日本ではまだあまり有名じゃない試験なので、就職や転職・留学に有利に働きにくいと言われています。
特別な理由がない限りは「HSK」や「中検」を受験する方をおすすめしますね。
通訳案内士
最後に紹介するのは、「通訳案内士」の試験ですね。
こちらはあまり聞きなれない試験だと思います。
「通訳案内士」の特徴は以下の通り。
- 通訳ガイドのための国家資格
- 合格率は10%前後とかなりの難関
- 試験は1年に1回しかない
上記で説明してきた検定の中で唯一の国家資格ですが、現在は無資格の人でもガイドをすることができるので、実は必要性が弱まってきている資格なんです。
ただ、やはり資格がある人とない人では、知識の差が歴然です。
依頼する人からすると、ちゃんと資格を持っている人の方が信頼できますよね?
なので持ってて損をすることはない資格ですよ。
そして毎年の合格率が約10%と低い理由がこちらです。
「一次試験」
- 中国語問題
外国語文の読解問題2題
外国語文和訳問題1題
和文外国語訳問題1題
外国語による説明問題1題 - 地理問題
- 歴史問題
- 一般常識問題
- 実務問題(2018年から導入)
「二次試験」
- 通訳問題(試験官が読み上げる日本語を中国語に直す)
- プレゼン問題
こんな風に、単なる中国語の知識だけでなく、日本の地理・歴史・実務についての知識、高い通訳・プレゼンテーション能力も試されるんです。
「ガイドの仕事を目指している!」という人は是非挑戦してみてください。
今回は4種類の中国語検定について紹介してきましたが、やっぱり一番おすすめなのは「HSK」。
世界基準の試験かつ多くの人に知られているので、ただ単に自身の中国語のレベル測れるだけでなく、留学や就職の際に役に立ちます。
それに中国語学習のモチベーション維持にもなるので、是非受験してみてくださいね。
以下の記事で中国語検定に役にたつ「参考書・youtube動画・アプリ」を紹介しているので、よかったらどうぞ。
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