
ネイティブの人に英語で話しかける時、いつも自分の言っている英語を聞き取ってもらえない、、どうすれば、ネイティブらしい発音を身につけられるんだろう、、
本記事では上記の疑問に答えていきます。
- 日本語と英語の構造の違いとは?
- 英語のフォニックス、母音、子音について
- 英語の特殊なルールについて
英語の構造について理解する
皆さんは、よくこんなフレーズを聞いたことありませんか?
「大人になって正しい英語の発音を身につけるのは無理だよ。」
確かに、大人になって正しい発音を身につけるのは至難の業です。
ただ、キチンと英語の発音の構造を理解し、繰り返し練習していけば、完璧までとは言わずとも、美しい発音を手にすることはできます。
発音を練習するよりも大事なこと、「英語の構造」をまずは理解していきましょう。
英語ならではの音がたくさんある
あとで詳しく書きますが、英語には母音が「20種類」、子音が「24種類」もあります。
日本語には母音が「5種類」、子音が「21種類」しかないので、圧倒的に英語の方が音の数が多いですよね。
多くの日本人は、日本語にはない母音や子音の音を、無理矢理、似ている日本語の音に置き換えて発音してしまいます。
これだと、ネイティブの人が発音を理解できないのも納得できますよね。
リズムが違う
日本語と英語では音のリズムが異なるのも、ネイティブの人が正しく英語を聞き取ってくれない理由の一つです。
例えば日本語では、
- 単語 たんご(ta – n – go) 3拍子
- 英語 えいご(e – i – go) 3拍子
- 文法 ぶんぽう(bu – n – po – u) 4拍子
のように、ひらがな1つを1音節として発音しますよね。
一方で、英語では、
- word 1拍子
- en – glish 2拍子
- gram – mar 2拍子
のようになります。
日本語と英語では音節の数が異なるので、発音の際にリズムも変わってきます。
なので、日本式のリズムから英語式のリズムに意識を変化させることが、英語発音を上達させるには必要不可欠なんです。
英語は基本繋げて読む
英語と日本語の読み方の違いは以下の通りです。
- 英語:繋げて読んだほうが自然
- 日本語:適度に区切って呼んだほうが自然
もし、英語を
・I have to study English.
(アイ ハフトッ スタディ イングリッシュ)
のように、ぶつ切れで読むと、なんだか不自然な聞こえ方になります。
一方で日本語は英語の逆です。
例えば、
・わたしはきょうえいごをべんきょうしなければなりません。
のように、繋げて読んでしまうと、ロボットのような話し方になってしまいますよね?
なので、この構造の違いをしっかりと理解して、英語を話すときは、繋げて読むことを意識することが大事です。
アクセント・イントネーションが違う
英語は日本語に比べてアクセントが全体的に強いです。
なぜ英語は、アクセントや抑揚をつけて読むかというと、先ほど説明した「英語は繋げて読む」が深く絡んでいます。
繋げて読むかわりに、文章のどの部分が重要な情報なのかというのを聞き手に伝えているというわけですね。
例えば、
・Today I’m going to go to the restaurant to meet with my girlfriend.
この文章の場合、主に、「Today , restaurant , meet girlfriend」の部分が強調されて発音されます。他の部分は弱く発音されて、ほとんど聞こえない音になります。
このように、英語には「機能語」(弱く発音)と「内容語」(強く発音)の2種類に単語は分けられます。
一方で日本語は、アクセントや抑揚はあまりなく、滑らかに発音されますよね。
(関西弁はちょっとアクセント強いですが笑)
なので、日本人にとって英語のアクセント・イントネーションはかなり難しいというわけです。
子音中心で発音されている
日本語と英語では、一つの音のかたまりにも違いがあります。
- 英語:子音中心の発音
- 日本語:母音中心の発音
英語には、子音で終わる単語がたくさんあります。
例えば、
・cat
・dog
・english
・word
のような感じですね。
一方で、日本語はほとんどの単語が母音で終わります。
・猫(neko)
・犬(inu)
・英語(eigo)
日本語では、子音と母音は常にセットになっているので、母音ありきの子音なんですよね。
ただ、英語では子音単体で発音されることが多いです。
なので、日本人の多くは、英語の子音に無理やり母音をくっつけて発音してしまうんです。
・cat ➡ cat(o)
・dog ➡ dogu
こんな感じです。
よりネイティブらしく発音するためには、子音単体を正しく発音するための練習が大事になってきます。
声の出し方が違う
英語と日本語の声の出し方の違いは以下の通りです。
- 英語:腹式呼吸で発音する
- 日本語:胸式呼吸で発音する
英語では抑揚を大きくつけて話す必要があるので、お腹を使った呼吸法で発音されます。
腹式呼吸がよく分からない人は、オペラ歌手や舞台俳優などをイメージしてもらうとより理解しやすいと思います。
あの透き通った声、響き渡る声は、腹式呼吸でなければ出ない声です。
なので、ネイティブらしい発音を身につけるには、肩回りの筋肉を緩めて、お腹を意識しながら英語の発音を行うことが大事です。
フォニックス・母音・子音について理解する
フォニックスとは?
「フォニックス」という言葉を聞いたことはありますか?
次の図に書かれている音のことをアルファベットのフォニックスと呼ばれています。
- 日本人が知っている読み方:アルファベットの名称
- フォニックス:アルファベットの音
このように、僕たちが習った「エー、ビー、シー、」という読み方は、単なるアルファベットの名称にすぎず、本当のアルファベットの音とは全く違います。
なので、英語の発音を上達させたいなら、まずはじめにこの「フォニックス」の発音を体に染み込ませる必要があります。
最近ではyoutubeにも、フォニックス関連の動画が増えてきているので、気になる方はぜひ検索して見てみてください。
また手軽にフォニックスの練習ができるアプリを使うのもおすすめです。
母音の種類
/iː/, /ɪ/, /e/, /æ/, /ʌ/, /ɑː/, /ɒ/, /ɔː/, /ʊ/, /uː/, /ɜː/, /ə/, /eɪ/, /aɪ/, /ɔɪ/, /əʊ/, /aʊ, ɑʊ/, /ɪə/, /eə/, /ʊə/;
こちらが英語の母音20種類です。
日本語の母音5種類に比べて圧倒的に数が多いですよね。
全ての母音で口の開き方や声の出し方が異なるので、ネイティブに近い発音を目指すなら、これらを正しく発音しなければいけません。
子音の種類
/p/, /b/, /t/, /d/, /k/, /g/, /ʧ/, /ʤ/, /f/, /v/, /θ/, /ð/, /s/, /z/, /ʃ/, /ʒ/, /h/, /m/, /n/, /ŋ/, /l/, /r/, /w/, /j/
こちらが英語の子音24種類です。
日本語と同じ発音記号のものもありますが、日本語と音の出し方が全く違うものが多いので、子音の練習も発音上達には欠かせないです。
特に日本人は、「r」「l」の発音が苦手で、「r」と「l」を聞き分けることは至難の業なので、この部分は集中的にリスニング練習・発音練習することが大事です。

「rice」(米)と「lice」(シラミ)では、意味が大きく違ってくるから要注意だね。
英語の特殊なルールを知る
英語には日本語にはない、独特な音の変化が存在します。
変化・消滅する音
「t」の音を例にあげて説明していきますね。
音が変化する
「t」が二つの母音に挟まれた時に、この「t」の音は、「d」や「l」に近い発音になります。
なぜこのような現象が起きるかというと、「t」と「d」・「l」を発音するときの舌の位置がほとんど同じだからです。
例えば、
・water:「ウォーター」じゃなくて、「ワラァ」に近い発音になる。
他にも、
・cityは「シディ」に近い発音になる。
(この時の「y」は「i」として発音。)
アメリカ英語ではこのような現象が起きるので、「ウォーター」と言っても通じないことが多いです。
ただ、イギリス英語では「t」の音は変化しません。
音が無くなる
主に、「n」の後に「t」がくる時は、「t」の音は発音されません。
これはなぜかというと、「t」と「n」を発音する際の舌の位置が全く同じで、「t」の音が「n」の音に飲み込まれるからです。
例えば、
・twenty
ネイティブの人は、しばしば「トゥエニィ」と発音します。
このように、音がなくなる子音が「t」以外にもたくさんあるので、それらのルールを知り、繰り返し練習することも発音上達の秘訣です。
連結する音
主に、前の単語が子音で終わり、次の単語が母音で始まる時に起こる現象です。
このことを「リエゾン」と呼びます。
リエゾンには主に以下のような種類があります。
- 母音と子音がつながる
- 子音と子音がつながる
- 母音同士が繋がって、音が弱くなる
- 動詞と代名詞がつながる
例えば、
・Not at all
これは各単語の最後の子音と、最初の母音が結びついて発音されるので、 (ノダドール)に近い発音になります。
このリエゾンの法則を知っていないと、一つ一つの単語の発音は正確にわかっていても、英文は聞き取れないという事態になっちゃいます。
なので、単語と単語がどのように結びついて、どう音が繋がっているかについて意識しながら、発音の練習を行っていくことが大事です。
発音練習方法とおすすめな本・アプリ、サイト
おすすめの発音練習のステップは以下の通りです。
- (1)フォニックスの練習
- (2)英語の構造(日本語と異なる要素・母音・子音・独特なルール)を理解
- (3)母音と子音の発音を一つずつ確認・反復練習
- (4)音節、アクセント、イントネーションを意識しながら発音練習
- (5)繋がる音や消える音の練習
- (6)英文を使ってシャドーイング
- (7)ネイティブの人に発音をチェックしてもらう
(1)〜(6)までの学習の際におすすめなのがこちらの本と、アプリです。
〇英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる
こちらの本はアマゾンでベストセラー1位にもなっている人気本で、英語の母音・子音の発音を一つずつ丁寧に詳しく学ぶことが出来ます。
「she,sea」の発音の違い、「子音が二つ連続して並んだときは、後の子音だけ発音する」などかなり細かい部分まで説明されているので、発音をマスターしたい人にはおすすめの本です。
〇日本人のための一発で通じる英語発音
こちらの本では今回紹介した英語の構造についてさらに詳しく説明されています。
各発音のページに、QRコードが載せられており、それをスキャンすることで、発音練習の動画に飛ぶことができます。
これは便利ですね。日本人にとてもおすすめできる本です。
〇CD BOOK フォニックス〈発音〉エクササイズBOOK
こちらの本は、2019年12月に発売された本なので、かなり新しい本ですね。
フォニックスのルールに加えて、日常生活でよく使う英単語(約1600語)を一緒に学ぶことが出来ます。
30日間のプログラム構成になっているので、無理なく毎日フォニックスの練習が出来ますよ。
〇スタディサプリEnglish 日常英会話コース
発音と同時に日常会話の表現が気軽に学べるアプリです。価格は月2,178円と少し高いですが、
- シャドーイングの練習や発音チェックができる
- 「ごくせん」「ナースのお仕事」などを手がけた人気脚本家によるドラマ仕立てのレッスンで、楽しみながら英語が学べる
- NHK英会話タイムトライアル講師・スティーブ・ソレイシィ氏による分かりやすい講義動画が多数収録
- クイズ、ディクテーション、キーフレーズチェックなど豊富な機能
などなど、値段以上のクオリティなので、発音練習や英語学習に飽きやすいって方はぜひ使ってみてください。
英語の構造をしっかりと理解し、正しいステップで英語発音の練習を行なって、ネイティブらしい英語の発音を手に入れましょう!
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